2022年に実施された電子法改正。何が変わったのか?

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経済社会構造のデジタル化を考え、2021年の税制改正では、会計の自動化による生産性の向上を求めて、デジタル帳簿の保存に関する制度を根本的に改正されました。この改正により、電子文書やデジタル取引データを保有するための実務や仕様が簡素化され、より使いやすくなりました。

2022年1月施行の改正電子帳簿保存法とは

今回の会計ルールの変更は、納税を完璧にするために、2021年度税制の整理の中に含まれています。財務省によると、この改正の意図は、2021年度税制改正の明確化になっています

経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、国税関係帳簿書類を電子的に保存する際の手続を抜本的に見直しました。

 財務省 令和3年度 税制改正の解説「令和3年度税制改正について」

公布日・施行日について

所得税法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第11号)
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(令和3年財務省令第25号)

2020年度改正と比較して、今回の改正では電子帳簿保存法の大幅な見直しが行われ、電子帳簿保存法導入時の強制承認の廃止、不正利用に対する罰則強化が行われました。この電子帳簿保存法の改正は、2021年度改定の「所得税法等の一部を改正する法律」の制定により、他の所得税法改正と並行して施行されます。

そもそも電帳法とは?

電帳法は大きく2つの規定からなりたっています。

各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について、一定の要件を満たした場合に電子データによる保存を可能とする規定(紙保存の特例に関する規定)
日々の取引にかかわる書類を電子データでやり取りしている場合の電子データの保存義務等を定める規定(電子取引に係る情報の保存義務の規定)

デジタル情報による保護の考え方は、管理規格に象徴され、それぞれのプロトコルや保存の要求が規定されています。

紙保存の特例に関する規定において定められている保存方法
 電子帳簿等保存・・・電子的に作成した帳簿・書類を電子データのまま保存するもの
 スキャナ保存・・・紙で受領・作成した書類を画像データで保存するもの
電子取引に係る情報の保存義務の規定において定められている保存方法
 電子取引の電子保存・・・電子的に授受した取引情報を電子データで保存するもの

電帳法改正のポイント

事前承認制度の廃止

電子帳簿保存法の改正前は、電子的に作成された記録とは別に、電子化しようとする場合は、所轄の税務署の承認を得る必要がありましたが、2022年1月より、国税関係書類・帳簿のデジタル・スキャナ方式による保存について、所轄税務署の事前承認要求が不要となります。

訂正削除履歴の廃止

従来の電子帳簿保存法では、レコードの変更・削除を行うたびに、変更・削除を認証するために対応する仕訳を記載する必要がありました。現在は、変更と削除を記録する必要性はなくなりました。

相互関連性の廃止

従来は、別々の財務帳簿を整理・統合する際に、通し番号などの関連性を確認することが不可欠でした。しかし、この調整により、両者の結合の必要性がなくなりました。

タイムスタンプ付与期間の延長

スキャナーの保管や電子取引の処理について、タイムスタンプの提供期限を最長で2カ月延長されます。また、スキャナーの管理に関しても、デジタル情報の変換・削除の痕跡を収集するシステムを利用する場合には、タイムスタンプの付与は義務付けられていません。

検索機能要件の緩和

改正前の電子帳簿保存法では、時間間隔の選択、要素の掛け算など、高度な検索の仕組みが義務付けられていました。しかし、今回の改正では、「取引日」「取引金額」「取引先」のみの記入で済むようになり、検索方法が大幅に簡素化されました。

 適正事務処理要件の廃止

現行版の電子帳簿保存法では、登録された項目をタイムスタンプで承認した上で検証し、批准後も定期的に初期情報と電子化情報を見直す必要です。同時に、スキャナ保存の事務処理義務も無効化されました。

電子保存は義務化まで猶予期間は2年

2021年12月24日、「2022年度税制改正大綱」が閣議決定され、電子帳簿保存法の大幅改正である「デジタル取引に係る取引情報を記録した電磁的記録の保存義務」に関して、2022年1月1日から2023年12月31日までの2年間の経過措置が設けられることになりました。これは、2022年1月1日から2023年12月31日までの2年間、電子交換等に係る取引情報を紙媒体で物理的に保存することを、定められた条件をすべて満たせば認めるというもので、この新しい方針は、「電子帳簿保存法」に基づくものです。

この措置適用を受けるためには、税務署への届出は必要ありません。すべての企業は、コンセッションの2年間の期間内に、電子帳簿保存法のルールに沿った電子帳簿保存を行う体制を構築する必要があります。

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