クラウド・コンピューティング・サービスは、広く企業に受け入れられています。
しかし、多くの人は「クラウド」という言葉が何を指しているのか、正確に理解していません。
そこで今回は、なぜクラウドサービスが利用されているのか、クラウドサービスの種類と企業経営に導入するメリット・デメリットを詳しく解説します。
クラウドサービスとは
クラウドサービスとは、遠隔地にあるコンピュータをインターネット経由で利用できるサービスであり、オンプレミスのシステムをより機動的で効率的なものに置き換える役割を担っています。
例えば、ファイルサーバーやAmazon Web Servicesなどのクラウドサービスを利用することが挙げられる。
ちなみに、クラウドコンピューターとはよく使われる概念のことで、クラウドサービスはこの技術から派生したものです。
クラウドサービスは、コンピュータに触れることができないため、実際に手で操作した経験がないとイメージしにくいものです。
また、目に見えないところで誰かがコンピュータを動かしているという概念も、クラウドサービスの利用を理解する上で混乱を招きかねません。
このように、サービスを利用する際の手触り感の欠如が、特に中小企業にとって導入の妨げ要因となっています。ただ中小企業にこそクラウドサービスがおすすめです。
クラウドサービスを利用するメリット
それでクラウドサービスが中小企業にとってどのようなメリットがあるのかを見ていきます。
コスト削減
オンプレミスの場合、ハードウェア、ネットワーク機器、ソフトウェアなどの初期投資と、サービスを運用するための技術力とリソースを持った特定の人材が必要でした。
またそれ以外にも、システムを動かすための電気代や、機器の修理やソフトウェアのバージョンアップなどの管理費用などもかかっていました。
しかし、クラウドサービス、特にIaaS/PaaSでは、利用した分だけ費用が発生するため、最も経済的なTCO(Total Cost of Ownership)を実現することができるのです。
導入までのスピードが早い
クラウドサービスは、サーバーやプログラムのセットアップ、運用に必要な組織をすべて提供するため、深い知識がなくても簡単かつ迅速に稼働させることができます。
そのため、オンプレミスでシステムを構築するよりもはるかに簡単で、実行の妨げになることはありません。
また、インフラやソフトのITノウハウがなくても、ハードウェア、ソフトウェア、ノードなどのシステム管理が可能です。
つまり、ITに精通した人材がいなくても、誰でも簡単にサービスを導入し、利用することができるという大きなメリットがあるのです。
クラウドサービスを利用するデメリット
それではデメリットについても理解をしておいた方が良いので解説してきます。
カスタマイズに向いていない
クラウドサービスの欠点は、ユーザーによるカスタマイズできる範囲に限界があることです。
一方、オンプレミス型は、企業が自社でハードウェア、ネットワーク、プログラムを構築・管理するため、より柔軟な対応が可能です。
例えば、サーバーのメモリを増設したり、OSをカスタマイズしたりすることが可能です。
しかし、クラウドサービスは、あくまでもサービスの範囲内でしかカスタマイズできないので複雑な業務フローを組まれている場合などは対応が出来ないこともあります。
急に使えない場合もある
クラウドシステムのほとんどの機能をベンダー(開発元)が管理しているため、サービスダウンを解決するには、システムの再稼働を待つしか方法はありません。
ベンダーへの依存が高くなる
クラウドソリューションの安全性は、一般的に開発元に依存しています。
開発元には通常、セキュリティの専門家やその他の従業員がいて、すべての保護措置が実行されていますが、こちらでトラブルの発生を検知したとしても、自身で修正することができません。
またクラウドサービスを利用する場合、プログラムからデータに至るまで、情報を職場から持ち出すことになります。
つまり、利用しているクラウドサービスがサイバー攻撃を受けた場合、データが流出する可能性があるのです。
もちろん、サイバー攻撃は現場でも起こり得ますが、クラウドサービスも情報漏洩の可能性があることを意識しておく必要があります。
まとめ
中小企業にとって「クラウドとは何か」を知ることは、クラウドサービスを理解するための最初のステップです。
クラウドサービスを理解することで、クラウドサービスを業務に取り入れるメリットとデメリットが見えてきます。
これからクラウドに移行される方は、まずはファイルサーバーのホスティングから始めてみてはいかがでしょうか。
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